past

菊田くんが推薦であの大学に合格した。10月ごろでセンターのまえ。彼は合格したのにセンターの勉強をした。する必要はないし、もう塾に来る必要もないのに。彼は静かに勉強していた。彼は陸上部なのに色が白かった。だから黒の学ランに黒髪と白い肌でなんとなくかっこよかった。クリスマスの日の模試も彼がいたから頑張れた。しゃべったことはないけれど、声を聴いたこともないけれど同じ教室にいるだけで私は嬉しかった。ある時席が隣になった。彼は椅子を引く私の方を見ることもなく勉強していた。私は現社の勉強をした。菊田君は何の勉強をしているのだろう。もう勉強する必要なんてないのに。菊田君はその日私よりも早く家に帰った。塾は学校から近いからという理由で通っているらしい。なんでわかったかというと、私塾とは全く反対方向にある学校に通学しているときに菊田君とすれ違ったからだ。こんな遠いところから通ってるんだと思った。どうせなら学校より家から近い塾の方が休みの日は通いやすいのに。菊田君は今なにをしているのだろう。菊田君に会えたらいいな。